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第13話

10:00「ホリゾンテ刑務所」房。「ゼフィリア」

オーレリア・ダスク。

食事を終えて、私たちはトレイを返却しに行った。その時、私はトリックスのためにリンゴを一つ作業着のポケットに忍ばせておいた。食堂を出ても、あの男の視線が私に注がれているのを感じ、鳥肌と恐怖が走った。

房に戻ると、トリックスはすでにベッドに座り、服を着ていた。

「トリックス、大丈夫?」私は心配そうに彼女に近づきながら尋ねた。

「だいぶ良くなったわ、美人さん。看病してくれてありがとう」彼女は少し微笑み、それが私に小さな幸せをもたらした。

「実際、感謝すべきは私のほうよ、あなたじゃないわ」私が返すと、彼女は小さな微笑み...