兄の親友に奪われて

第99話

アリッサ

私は小さな笑顔を作り、何とか平和な雰囲気を取り戻そうとする。この場所はこんな負のエネルギーには美しすぎるし、ここで眠っているママや他の人たちもきっと喜ばないだろう。

「何も見逃してないわよ」とニコに言うけれど、彼がキングとグレイを見つめる表情から、何が起きたか完全に理解していることは明らかだった。グレイが薬をやめてからずっと暴走気味なのは明らかなのだから。

私はママの花束を地面から拾い上げ、親指で花びらを撫でてからグレイの手を掴む。「さあ、グレイソン。男の子たちには少しプライバシーを与えて、ママのところに連れて行ってもらいましょう」

キングは喉の奥で低く唸り、燃えるような目で...