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第180章

メイソン

九時間の長旅の末、キングは深く眠り込んでいる。ニコは彼の隣に横たわり、考え込むときに見せるあの虚ろな表情で、テレビのチャンネルをめくっている。

俺は窓際に立ち、AR-15を手の届く場所に置き、ブラインド越しに下の空っぽの駐車場を見つめている。

アリッサはもう三十分以上もシャワーを浴びている。

きっとまた泣いているんだ。

彼女はズリとの別れをうまく受け止められていない。

俺たちの誰もそうだ。

だが彼女は? 出発してから泣き止むことがない。

そしてそれが俺の心を引き裂いている。

「このままじゃ、自分のことを顧みなくなる」と、つぶやく。本当は口に出すつもりはなかった。

ニコはバスルーム...