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第16話

アリッサ

キングとニコが出かけてから数時間が経ち、メイソンはただ肘掛け椅子に座って本を読んでいる。紙の本を。ジーンズに濃紺のドレスシャツを着た彼は、私の記憶よりもずっとセクシーに見える。腕フェチなんて自分にあるとは思っていなかったけど、今となっては違う。彼の袖はまくり上げられ、筋張った筋肉と光を受けて輝く薄い体毛が露わになっている。それを見ると、私の心臓がイラつくほどドキドキしてしまう。

彼が私にほとんど言葉をかけてこないのは驚くことではない。高校時代も、彼はめったに話さなかった。ただ他のバカどもについて回り、学校を支配し、私をいじめる時間を見つけていただけだ。

かつての私をいじめていた...