兄の親友に奪われて

第151話

グレイソン

クリスティーンと大喧嘩した後—おそらく取り返しのつかないことを言ってしまった—俺は町はずれのバーに車を停める。

ただ、考えることができなくなるまで酒を飲みたい。何も感じなくなるまで。ウイスキーの灼熱感が俺の中で煮えたぎる怒りを押し流してくれるまで。

どうしてすべてがこんなに崩壊したんだ？

まず、クリスティーンが俺の顔を見ながら平気で嘘をついた。まるで俺が彼女の夫じゃないみたいに。それからアリッサ—俺の妹—が何ヶ月もキング、ニコ、メイソンとヤっていたのに、そのクソ野郎たちの誰一人として俺に知らせる権利があると思わなかった。

兄弟たちも、妻も、誰も。

俺はグラスをきつく握り...