兄の親友に奪われて

第130話

キング

クソッ。双子か。

ぶっちゃけ、もう二人も子供ができることに腰が引けてないなんて言ったら嘘になる。みんなそうだ。誰が思っただろう、ズーリを育てることが、複数の子供を欲しがる——そして今、同時に授かる——ことにつながるなんて。

心臓が胸から飛び出しそうなほど激しく鼓動している。部屋の空気が重く感じる。アリッサの中で育つ二人の小さな命の現実が沈み込んでくる。俺は彼女の隣に座り、彼女の手をきつく握りしめる。彼女と同じくらい、自分自身を落ち着かせるために。

俺は命をかけて彼らを守る。常に。

壁の写真に目をやると、額に入った男の写真があった。今まで気づかなかった。30代前半、黒髪を気取ってオールバ...