兄の親友に奪われて

第121話

アリッサ

数時間の睡眠の後、目を覚ますとニコとメイソンの体が私に寄り添っていたが、キングの姿はどこにも見当たらなかった。一瞬、彼が仕事か何かで出かけたのかと思ったが、もし出かけるなら起こして言ってくれるはずだ。

ベッドから抜け出し、静かな家の中を足音を立てずに移動しながらズーリの様子を確認する。トイレに立ち寄った後、階下へ向かう。リビングのランプの淡い光が長い影を落としている。そこで彼を見つけた——キングだ。彼の背の高い、がっしりとしたシルエットが椅子に座り、手には飲み物を持っていた。その姿勢の緊張から、何か問題があるとわかる。

黒いシルクのローブをきつく巻き付け、静かに部屋を横切って彼...