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第12話

家に帰ると、ニコがソファーでズーリを胸に抱きながら、まるで何の心配もないかのように眠っている姿が目に入る。いいものだな。

「俺たちの子猫はどこだ?」ズーリを起こさないよう静かに尋ねる。

「上で寝てるよ。かわいい子はすごく疲れてたから、ズーリが泣いても起きなかったんだ。起きた時に娘が見当たらなくても、パニックにならなければいいけどな」彼は柔らかく答えた。

「どのくらい寝てる?」

「数時間だな」

俺の唇に笑みが浮かぶ。「完璧だ。それなら起こされても文句は言わないだろう」

俺は階段を上がり、客室で彼女が眠っているのを見つける。黒い髪が枕に広がっている。カーテンは閉められ、ドアを閉めると部...