兄の親友に奪われて

第102話

浴室でズリを洗ってあげた後、ニコは私と一緒に彼女を寝かしつけてくれた。彼はズリのベビーベッドに彼女を優しく寝かせながら、頭にキスをする。その光景を見て、私の心が締め付けられる。こういった瞬間——静かで、平和で、愛に満ちた時間——は盗まれたような、砂が指の間をすり抜けるように儚いものに感じる。

階下で、ニコと私はソファに寄り添って座り、彼の腕が私を包み込み、私は彼の胸に身を預ける。彼の指が私の背中に無造作な模様を描き、私たちがお互いにポップコーンを食べさせ合いながら、スクリーンでは『エンカント』が流れている。

「変な言い方だけど」とニコは笑いながら言う、「この老婆、誰かにぶん殴られてほしいよ...