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第45話

ヴィンセント視点

両親のビーチ沿いの「別荘」へ向かって車を走らせながら、早くこの件を片付けて帰宅できるようにとアクセルを踏み込む。

近づくにつれて電話が鳴る。ステアリングのボタンを押して応答し、車内に声を流す。

「どこにいるんだ、ヴィン?俺たちはもう何時間もここにいるんだぞ。彼女に浮気してるんじゃないかって疑われ始めたよ!」と、別荘への曲がり角を曲がる私にリロイが声をあげる。

「今、砂利道を走ってるところだ。あと5分で着く」と私は簡潔に答え、冷静さを保とうとする。リロイはクエイドと一緒に一晩中見張りを続けてくれたのだから。

このことが台無しになるわけにはいかない…あの...