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第13話

ソフィアの視点

夜が更けるにつれ、VIPラウンジは徐々に空いていき、先ほどの喧騒に代わって静かな落ち着きが訪れていた。ドリンクを作ったり掃除したりで手は痛んでいたが、達成感で満たされていた。ヴィンセントとの予想外のドラマにもかかわらず、初めてのシフトを何とか乗り切ることができたのだ。

彼がこの場所のオーナーだなんて、まだ信じられない…

時計を見ると、午前2時近くになっていた。バーはほぼ綺麗になり、最後の数人の客が階下へと向かっていた。ほっと一息つき、バーを最後にもう一度拭きながら、ようやく体の力が抜けていくのを感じた。

ティトが階段の上に現れ、私を見つけると顔が明る...