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第118話

ヴィンセント視点

私は狂人のように集中治療室に突入した。ダリルに辿り着くためなら、誰を押しのけてでも構わなかった。

彼に近づくにつれて、私の呼吸はどんどん乱れていった。病院の消毒臭が肌を這うように不快感を与える。頭上の蛍光灯がちらつき始め、さらにイライラが募った…

「友人を探しています。今すぐ会わないといけないんです。名前はダリル、銃創で運ばれてきました!」カウンターの向こうに立っていた最初に見つけた看護師に、反論の余地を与えないような口調で私は唸るように言った。

中に入るにはカードが必要だった。断られるつもりなど毛頭なかった。もし彼女が拒否したら、私は完全に制御を...