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第25話

ちょうどお昼時になった頃、ケイレブと私はようやくピアノ室を出た。ケイレブは私の指を絡ませると、食堂へ連れて行く前に私の指の関節にキスをした。彼の香りは強く、彼が幸せなことがわかる。私はまだそこまでではないが、安全だけでなく満足感も感じている。幸せを感じるまでには長い道のりがあるとわかっているが、いつかそこに辿り着けると信じている。

「スウィート・チークス!カレミネーター!」食堂に入るとすぐにコノンが叫ぶのが聞こえた。

ケイレブは「新しいベータを見つけろ」とでも言うような言葉を小声で呟いた。私の口から小さな笑いが漏れる。

「地獄のベータ・コノンから逃げて、キッチンで食べられるかな?」ケイレ...