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第393話

駐車場の出口の横に、SUVが横向きに停まっていた。

フランシスは車の前部に寄りかかり、細い指の間でタバコが燃えていた。

彼の無関心な視線はフロントガラスを貫き、エリッサの顔に注がれた。

エリッサは彼を一瞥もせず、ハンドルを回して幹線道路へと加速した。

サイモンは、なぜフランシスがこんな朝早くから苦しみに来たのか全く理解できなかった。

フランシスは振り返って車に乗り込んだ。

サイモンは素早く賢明に助手席に座り、シートベルトを締めた。

次の瞬間、車は矢のように飛び出した。

彼は慌てて取っ手を掴んで体を支えた。

黒いSUVは、朝のラッシュアワーの激しい交通の中でとても目立っていた。...