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第272話

電話の向こうから、マディソンの声が聞こえてきた。明るい声だった。「ホープ、本当にありがとう。あなたがデザインしたドレスは素晴らしかったわ。昨夜の授賞式の直後、高級ブランドからジュニパーにグローバルな広告契約のオファーがあったの」

私は興奮した。「本当?それはすごいわ!」

マディソンのようなアーティストには、トップブランドの広告契約だけが価値あるものだった。

もっとも、マディソンにとっては、それはただの付け足しにすぎなかったけど。

マディソンはくすりと笑い、声のトーンを柔らかくした。「契約が結ばれたら、お祝いパーティーを開くわ。来てくれる?」

彼女の声には少し警戒心が感じられた。まるで...