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第36話

ロマニー

曲がり角を覗いて自分の廊下に入ったとき、ドアが閉まる音が聞こえたような気がした。いや…アレックスが私を追いかけてくるはずがない。彼は自分以外の誰のことも気にかけない人だから。でも足音が聞こえた。私の足音ではない、私より遥かに速い足音だった。自分の部屋まで全力で駆け抜け、誰かが私の名前を呼んだような気がしたちょうどそのときに中に飛び込んだ。ドアを閉めると同時に、できるだけ早く鍵を回した。安全な場所へ必死に駆け戻ったせいで息が上がり、胸が激しく上下した。なんであんな風に普通にノックしなかったんだろう?ステラのあの拒食症みたいな体のイメージが頭から離れない!

気持ち...