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ア・リトル・パワー

ルビー視点

「話したいってわけ?」私はアントニオの目から視線を逸らさないように必死だったが、無残にも失敗し、彼の体にぴったりとフィットした白いタンクトップの前面、その肉体を浮き彫りにする無数の小さなくぼみや筋の隆起へと視線がさまようのを止められず、言い放った。「だったら話しなさいよ」

彼は眉間にしわを寄せ、素早く周囲を見回した。「二人きりで、ミ・レイナ。頼む」

唇をきゅっと結び、私は視線を彼奴の後ろにいる馬鹿二人組――ロマニーとルイス――に移した。バーカウンターで何やら陰謀でも企んでいるかのようにひそひそと話し込んでいる二人は、まるで年来の恋人同士みたいに、同じグラスの酒を代わる...