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除去プロセス

ルビー

一。

二。

『さっさと引け、ビッチ。クソ簡単なことじゃないか。もう考えるな。数えるのも終わり。撃つんだ、今すぐ。後悔は後でいい』

指がぴくりと動く。お利口な兵隊さんみたいに、引き金を絞ろうとした――その瞬間。

「ためらったのは、これで二度目だな」アントニオが、こちらを見ずに、静かに言う。それでいい。こっちを向いたら私がブチ切れて、もっと面倒なことになるって分かってるんだ。

「なんで分かるの?」私は皮肉っぽく返す。「あんたのこと、もう何度も照準に捉えてたかもしれないでしょ」

男は口の端を吊り上げる。私はその顔が背景に溶け込むようにぼんやりさせた。そうすれば、その表情が...