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第10話

オーロラ視点

空気は澄んでいて冷たく、新鮮に刈り取った芝生の香りがした。太陽は明るく輝き、空には雲一つない。考えるより先に、私は走り出した。白い大理石の階段を八段か十段ほど降りると、大きな円形の車寄せに着いた。自分がどこにいるのか、何をしているのかもほとんど把握できない。急いで立ち止まり、周囲を見回す。どこに行けばいいのか、最適な道を見つけようと、頭を素早く動かしてあらゆるものを見渡した。

目の前には低木や色とりどりの花が植えられた庭園があり、小さな池に架かる橋と、あちこちに配置された木製のベンチがいくつか見える。車寄せは長く、庭園の周りを曲がっていた。

頭の中はマラソン状態で、背後にあ...