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第48話

アテナの視点

-アテナの夢-

闇、純粋な漆黒の闇。私は寝ていることを知っていた。双子より先にベッドに入ったのだから、眠っているはずだ。そうよね?なのになぜ、この完全な闇に包まれているのに、寒気がするのだろう。独りぼっちで、周りには誰もいない。

「アルテミス?」私は自分のオオカミを呼ぶ、せめて彼女がここにいてくれることを願って。

周囲を見回しても、恐怖を感じずにはいられない。「アルテミス!」私は叫ぶ。恐怖が少しずつ心を掴んでいく。「お願い、ここにいるの?答えて」

「落ち着いて、私の子よ」アルテミスが近づいてきて、私の手に鼻先をすりよせながら言う。

「アルテミス、女神に感謝する...