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第165話

セラの視点

雨が降りそうな良い日だな、と私は思う。図書館の大きな窓から外を眺めながら。楽しさと興奮で満ちているはずだった一日が、ただ長く憂鬱な一日に変わってしまった。

そして何よりも、家は静まり返っていた。魂の一つも見当たらない。少なくとも私はそう思う。リックが用事を済ませるために家を出てから朝にこの部屋に入って以来、ほとんど動いていないのだから。

ため息をつきながら、ティール色の瞳を本の方向へ戻す。今日は特別な日のはずだったのに、誰も周りにいないし、気にかけてくれる人もいない。失望感が私を包み込む。

もう一度ため息をつき、ようやく立ち上がる。

「でも彼らを責めることもできな...