運命のアルファ王

第38話

「ル、ルーカス？」クレアは目を見開いて口ごもり、思わず一歩後ずさった。

ルーカスは彼女の腰に腕を回して引き止めた。「婚約する時が来たと思うんだ」

クレアは鼻で笑い、少し抵抗した。「ふ、ふざけないで、離して」

ルーカスは王のような装いで、頭には王冠をかぶり、黒い絹のオーバーコートには濃い赤と銀の刺繍が施され、クレアと調和していた。

彼の濃紺の瞳が輝いた。「また逃げ出そうとしてる？」

クレアはルーカスの力に敵わず、彼に従うしかなかった。「そう思いたいでしょ？違うわ！あなたに私を追いかける満足感なんて与えないわ」

ルーカスは依然として彼女の腰に所有欲たっぷりの腕を回したまま、今度は空いた...