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第71話

嘆願を聞きたい

リヴ

混雑したホテルのロビーを押し分けながら進む私は、いつも公の場で感じるような場違い感を抱いていた。できることなら、アパートから一歩も出たくない。居心地の良いパジャマに包まれて、片手にはロマンス小説、もう片方には紅茶を持って過ごすだけ。

それこそ完璧な生活。

19歳なのに1800年代の老婆みたいな生活を送っていたって何だというの?うちの猫は気にしてないみたいだし。チェスター・マクポーシーが私の人生における唯一の男性であるべきではないという考えは脇に追いやる。

まあいいや、猫と処女膜があれば幸せよ。

もう何百回も自分に言い聞かせれば、そのうち信じられるようになるかも...