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第115話

大口を開けて

レニー

「クソ、お父さんまた弁当を忘れたわ」と母が言うのを聞いて、私は笑みを隠そうとするけど、無理だった。

「私が持って行くよ」と私はすぐに言って、馬鹿みたいに笑いながら、母がまだ持っているバッグを掴んだ。

「あなたの道からは全然外れてるわよ。そんなことしなくていいのに」

「大丈夫だよ、ママ。大学はまだ数週間先だし、今日は何もすることないから、簡単に持って行けるよ。服に着替えてくるから」

母が反論する前に、私は階段を駆け上がった。父の職場に行く口実なら何でも喜んで使うよ、特に信じられないくらいセクシーな父の上司に会えるなら。私はずっと前からハーディングさんに夢中だった。彼は私...