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第50話

〜ダモン〜

「お掛けになった番号は現在使用されていないか、圏外にあります。もう一度お掛け直しください—」

ダモンは通話を終了し、怒りで拳を握りしめた。リアムに電話をかけるのはこれで三度目だが、毎回留守番電話に切り替わってしまう。こんなことは今まで一度もなかった。彼のボディガードたちは全員、特に任務中は24時間体制で常に待機するよう訓練されていた。何か悪いことが起きていない限り、電話に出られない理由はないはずだ。

リアム、お前はどこにいるんだ?

ニュージャージーに戻ってきたダモンがまず最初にしたことはリアムに電話をかけることだった。ここ数時間、リアムから何の連絡もなかった。ダモンは不安を...