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第42話

「正直言うと、あなたは彼の方針を見直させた唯一の女性として歴史に残るんじゃないかしら」とタリアはお茶を啜りながら言った。

ヴァイオレットはため息をつき、自分の飲み物を一口飲んだ。

それだけで十分だったらいいのに…

今日が屋敷での最後の夜になる。デイモンはちょうど仕事に出かけたところだった。ヴァイオレットはタリアの部屋に行き、昨夜のことを全て打ち明けた。タリアは今朝デイモンに偶然会ったときのことを話していた。

どうやらタリアはデイモンに、ヴァイオレットに残ってほしいと頼むつもりはあるのかと率直に尋ねたらしい。彼は「ない」とはっきり答えたという。タリアによれば、彼は何か別のことを考えている...