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第117話

ケリー・アンの視点:

ここまでの夜は、確かに面白い展開だった。エレベーターに乗り込んだ時、私は何時なのかまったく分からなかった。ジャスパーはまだ私を腕の中に抱き、石のように硬い胸に密着させていた。彼が「明日の予定」と言っていたのが何を指しているのか、頭の片隅で気になっていた。ペントハウスの階に着くと、いつものように武装した警備員たちが、私たちが出られるように横に寄った。

「待って、みんなは先に降りないの?」私はジャスパーがエレベーターを出て、振り向いて中にまだ立っている全員を見られるようにした時に尋ねた。「怪我の治療を受けに行くんじゃなかったの?待って、私が診てあげられる...