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第97話

コブラ

私はマスタングから降りて、助手席から小さなバッグを取り出した。何も知らない女性を探すために州外へ旅行することに、少なからず不安を感じていた。マロリーの命を危険な状況に晒すリスクは絶対に取りたくなかった。だからこそ、ケイレブのオフィスの向かいにあるバーに来ていたのだ。私たちの小さなグループを守るために武器を素早く取り出せる人が同行してくれれば、もっと安心できるだろう。バーに入った瞬間、父が話しかけてきたが無視した。カーリーに向かって大きく微笑むと、彼女はすぐにビールを注いでくれた。

「やあ、ママ!元気?」と私は尋ねた。

「元気よ。ありがとう、息子。マロリーはどう?」と彼女は答えた。...