運命の手

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第83話

魔耳はそう長くは待たなかった。最初の灯りが消えたのを見て、彼女は携帯の発信ボタンを押し、留守番電話にメッセージを残してから、態勢を整えた。彼女の照準には大きな黒熊が入っていた。今まで見た中で最大の熊だった。

でもそれは問題ではない。大きければ大きいほど、倒れるときは激しい。彼女はまず岩塩で始めることにした。この厄介な熊に立ち去る理由を与えるのだ。それが効かなければ、次は鹿撃ち弾だ。最後の手段はスラッグ弾。最初の二つが効かなければ、最後のは確実に効くはずだ。

この熊は生意気だった。灯りが消えたのが立ち去れという最初の合図だったはずなのに。いや、この大胆な厄介者は玄関に真っ直ぐやって来る。彼女...

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