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第25話

王子は自分の部屋のベッドに横たわっていた。夜も更けてきたが、まだ誰も入ってこなかった。彼は空腹を感じ始め、不快感に溜息をついた。ドアを再び叩こうと立ち上がったとき、最も苦痛に満ちた遠吠えを聞いた。それが父親のものだと彼は瞬時に悟った。

良かった、と彼は思った。この城で不幸なオオカミは自分だけではないようだ。しかし、その遠吠えは彼に不安を感じさせた。自分はどうなるのか、どんな罰が下されるのか。彼の内なるオオカミは小さく鳴いた後、再び静かになった。

ドアを再び叩こうとしたちょうどそのとき、二人の衛兵がトレイを持って入ってきた。彼らはそれを床に置くと、再びドアに鍵をかけた。王子が食べ物を覆う蓋を...