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第70話

彼らが廊下を歩きながら部屋へ向かう道のりは平和だった。城の使用人たちは夜に備えて忙しく動き回り、一日の雑用を終わらせていた。

王と王妃が通り過ぎると、使用人たちは作業を中断して振り向き、お辞儀をした。

彼らの部屋に到着すると、キャスピアンは空いている手でドアを開け、伴侶を中へ引き入れた。

寝室のドアが閉まる音が部屋中に響いた。彼は彼女の背中を閉じたドアに押しつけると、ゆっくりと手を彼女の後ろに回した。キャスピアンはカチリと音を立てて鍵をかけた。「誰にも邪魔されないようにね」

アレクシアは笑いを漏らしそうになったが、彼の目に宿る色気は、自分のものを要求することを何も止められないと語ってい...