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第37話

「デリラ・ダーリン、いたわね」鼬(いたち)のような男が娘に向かって言った。その笑顔は不快な歯を露わにしていた。アレクシアはその光景に喉まで込み上げてくる胆汁を飲み込んだ。

「陛下」デリラは深々と頭を下げながら言った。彼女はカスピアンに微笑みかけ、アレクシアを完全に無視していた。

「お招きいただき光栄です。デリラはこの宮殿に戻ってくるのを心待ちにしておりました」デニスは嬉しそうに王に伝えた。

「本当なんです。早く来たくてたまりませんでした。この機会のためにこのドレスを買ったんですよ」デリラは、安っぽさが漂うガウンを指さしながら言った。

二人を無視し、デリラに一瞥もくれずに自分の伴侶に合図...