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キング・ウォーク・アローン

月が天頂に達し、その深紅の光が、眼下のすべてを包み込んでいた。その赤は、黒と見紛うほどに深かった。

ルカは妹を見て、はっと息をのんだ。傷口は、まるで月光であるかのように、まばゆい白い光を放っていた。彼女の全身が光り始めた。

カスピアンは彼女の毛皮に顔を埋めてむせび泣いており、まだ気づいていなかった。他の者たちが気づき始め、そちらに顔を向けると、部屋は静まり返った。

ルカは一歩近づき、固唾をのんで見守った。エドマンドもそれに倣い、兄の注意を引こうとしたが、何をしても彼の耳には届かなかっただろう。

「カスピアン!」エドマンドは身じろぎしながら叫んだが、兄には聞こえなかった。「カスピアン! ...