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誰もいない

討伐隊は怒りに燃え、宮殿の敷地を後にした。カスピアンはあえて振り返らなかった。彼女を置いていくのは辛かったし、もし彼女の目に悲しみの色でも見ようものなら、集中すべき時に心が揺さぶられてしまうだろう。彼女を守ることに集中しなければならないのだ。

彼らは何事もなく順調に進んだ。数時間後、休憩を取ることに決めた。小川を見つけ、オメガたちが食料を持って追いつくのを待ちながら水分補給をした。

まだ戦いが始まってもいないのに、体力を消耗するのは無意味だった。カスピアンは鋭い関心を持って戦士たちを見つめた。

彼らの態度に真剣さが欠けていないか観察した。皆、任務に集中しているようだった。

ルカが彼の注...