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第124話

扉の前には従者たちが控えており、女王が近づくと何も尋ねることなく即座に扉を開いた。

その両開きの扉は、様々な木彫りで装飾され、それぞれ異なる物語を描いていた芸術品だった。狼たちが戦い、遊ぶ姿が、月の見守る眼差しの下に刻まれていた。

部屋に入ると、一方の壁には傑作が並び、反対側の壁には大きな窓があり、それ自体が芸術品である壁掛けに自然の光が当たっていた。

中央には様々な座席が配置されていたが、家具は限られており、部屋はかなり空いていた。精巧に織られた絨毯が木の床に置かれた椅子の下に敷かれていた。この部屋のどれもが傑作と呼ぶに値しないものはなかった。

従者たちは先回りして部屋の準備をし、窓...