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第105話

キャスピアンは先に王子に挨拶をした。「ドリスタン王子、前回お会いしてからしばらく経ちましたね。私の伴侶であるアレクシア女王をご紹介します」

ドリスタンの目は王から女王へと移った。礼儀作法に従って、彼は女王の手に手を伸ばし、女王はそれを握らせ、手の甲にキスをさせてから手を離した。「光栄です、陛下」キャスピアンはその一挙手一投足を見守っていた。

アレクシアは声を平静に保ちながら話した。「お会いできて光栄です、殿下。私たちの王国へようこそ。滞在をお楽しみいただければ幸いです」

「ありがとうございます、陛下」彼は謝意を示したが、これまでの滞在については何も意見を述べなかった。「私に同行した廷臣た...