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第47話

何かが背中に突き刺さっていた。背中を掻こうと手を上げた瞬間、木から落ちそうになって急に目が覚めた。そうだ、この忌々しい木の上で身動きが取れないんだった。周りの森の音に耳を澄ませる。彼らのいびき、鳥のさえずり、リスが木を上り下りする音が聞こえた。太陽がちょうど昇り始め、かすかな赤い色合いが闇の黒さを追い払っていた。

ワイアットと一緒に暖かくて柔らかいベッドに戻りたかった。彼は私を探しているだろうか。きっとそうだと思う。じっとしていたいところだけど、計画を立てて今は自分を頼るしかない。願いや希望だけではこの状況を乗り切れない。計画が必要だ。

彼らのいびきに耳を傾けた。たぶん今なら逃げられる。木...