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第91話

このクラブの雰囲気は、今まで感じたことのないものだ。あのキンキーなクラブに行ったときは非常に混沌としていたけれど、ここはもっと落ち着いている。紫色の照明と心地よい暗闇の中で輝くネオンにもかかわらず、ジュリアンに頼んだ通り、みんなが私たちを観察するのに最適な場所である大きな丸いテーブルを囲む大きなソファに座っていると居心地が良い。

でも今は、少し緊張する。

モクテルを唇に運び、フルーティーな味と冷たさが乾いた口を潤すのを感じる。それが不安も和らげてくれることを願うけれど、赤いソファの上で落ち着かなく身をよじり、体の中に何かを感じる。

「本当にこのクラブが最良の選択だったのか?」タイラーがソファに...