パパの友達に恋して

第83話

寝室に戻ると、あの快楽の匂いから離れ、私の頭を霞ませていた蒸気から解放され、深呼吸をした。肺いっぱいに空気を吸い込んで、それを勢いよく吐き出す…そしてベッドを見つめると、ジュリアンの腕の中で眠りたいという強い願望を痛いほど自覚する。特に朝一番に彼の顔を見られることを思うと。

でもそれは、あまり執着しない単なる愚かな夢だ。恐る恐るベッドルームのドアを開け、心臓が速く不安げに鼓動している。家の明かりはついているが、あまりにも深い静寂があり、周りの音がすべて聞こえる—ドアの軋み、耳に響く自分の心臓の鼓動、そして足の裏が磁器タイルに触れるたびに立てる微かな音。

「お父さん？」大きな声で呼びかけなが...