パパの友達に恋して

第53話

ジュリアンは私を降ろすけれど、まだ私の腕をつかんでいる。彼の手は私の肌をしっかりと掴んでいるが、その触れ方は痛くない。本当に痛いのは、今の彼の私への見つめ方だ。

「何をしてるのか聞いたんだ」彼は低い声で言い、その声が私の耳を刺す。

涙が目に溢れそうになるのを感じる。

「アンジェリー」

「放して！」私は振りほどこうとするけど、彼はさらに強く私を掴み、自分の体に引き寄せる。それが私の足を弱くさせ、私は彼の胸に手を広げ、彼を押しのけて、彼の匂いや触れ方、温もりから逃れようとする。だって、それが痛いから。

「どうしてこんな風に振る舞うんだ」

「どうして『あなたが』こんな風に振る舞うの？」私...