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第43話

「ここで待っていなさい」と言いながら、私は彼女の顎から顎先に指を滑らせる。

キッチンへ歩き、冷凍庫を開けて氷を取り出す。「冷たい感触が肌に触れるのが、かなり気に入ったようだね…」

彼女は私を見つめている。その悪戯っぽい表情に、私の全身が震える。

「知ってるかい、エンジェル?地獄は実は冷たいって言うんだ」

私は彼女に微笑みかけ、氷を手に取ると、再びソファに近づき、彼女の前で立ち止まる。彼女は良い子、従順な女の子のように足を折って座っている。顔を上げて私を見上げる彼女の姿、欲望と期待に燃える瞳、膝の上に置かれた手…。彼女は気づかないうちに、完全に私に身を委ねている。

それが私をからかう気...