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第8話

私はためらうことなくアノーラから離れて歩き始めた。彼女の手のひらに残したネックレスは、通常なら手放さないものだが、彼女が私にくれた贈り物だったからこそ、今は手放しても大丈夫だと感じている。彼女がそれを大切に保管してくれるだろうことは分かっている。別れる前に彼女に伝えたことが、彼女がすぐに私と会いたいと思うのに十分であることを願っている。彼女を永遠に待っているような気がするが、心の中では彼女が準備できるまで待ち続けることが分かっている。

時計を見て時間を確認し、退役軍人プログラムが設置されている病棟へ向かう。アーロンと私は医師、理学療法士、マッサージ療法士、看護師、カウンセラーたちのスタッフと...