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第49話

(クイン)

プロポーズした後、心臓が喉に詰まった感じがする。彼女の目には涙が浮かんでいる。しかし、私が予想していなかった躊躇いが見えた。彼女からはあらゆる感情が出ると思っていたが、これだけは想像していなかった。

本当に早すぎたのだ。

これが間違いだったと気づき、私は地面から立ち上がってベルベットの箱を閉じる。振り向こうとすると、彼女の手が蛇のように素早く伸びて私の腕を掴んだ。彼女に顔を向けると、彼女は眉をひそめていた。

「早すぎたね。ごめん」

「待って」

私は口を閉じ、彼女が考えをまとめる様子を見つめる。

「はい、クイン、あなたと結婚します」

混乱が私を襲う。こんな展開...