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第40話

この浴槽は間違いなく世界で最高のものの一つ。石鹸の泡が私の周りに浮かび、温かい湯が神経をほぐしてくれる。目を閉じれば、アドレナリンが引いていくのを感じることさえできる。

こんなにも必要だったとは知らなかったけど、今ここにいると、まるで天国にいるような気分だ。

「水を持ってきたよ」エイブラハムの声に目を開けると、彼がドアの所に立ち、グラスを持っているのが見えた。

私は浴槽の中でもぞもぞと動き、膝を抱えて胸を隠す。

彼が近づいて浴槽の縁に腰掛け、飲み物を差し出す。

通常、私はアフターケアを拒否する。それはあまりにも…親密すぎるから。でも、エイブラハムには何かがある。それが私の理性的な部分を無視させ...