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210。ギャラリー・デ・グレース (+18)

エイブラハムが私の手を引いてくれる。私は魂のすべてを彼に委ねている。周囲の闇と、きつく巻かれた目隠しのせいで、五感が研ぎ澄まされていく。彼はほんのわずかな隙間も残さず、いい子だから、順番を待つんだよと囁いた。

そして私は待った。

彼がゆっくりと私の服を脱がせ、そして再び、空気のように軽い何かに着替えさせてくれる間、私は待った。それは腰に触れ、約束のように太ももにまとわりつく。

そして、車が穏やかに揺れる道中もずっと待ち続け、そして今……ここが終着点だと感じられるその時まで。

私の指に絡められたエイブラハムの指だけが、唯一の拠り所だ。私の足音は、滑らかで冷たい床――たぶん大理石だろう――...