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第54話

カフェを出ると、ハナは立ち止まって誰かにメールを送り始めた。おそらくウィクターだろう。その間も僕は彼女の首筋にキスし、彼女との親密さを楽しんでいた。正直に言うと、僕は彼女の首筋の柔らかさに夢中になっていた。また、彼女への気持ちを公然と示せることも嬉しかった。彼女が嫌がったり不快に思ったりしないことに感謝していた。

「終わったよ」ハナは携帯をしまいながら言った。彼女は嬉しそうだった。少なくとも部分的には僕のおかげだと思いたかった。

「映画が始まるまでまだ時間があるけど、何かしたいことある?」僕は彼女に尋ねた。

「したいことはあるけど、それはまた後で。散歩はどう?少し新鮮な空気が欲しいわ」彼...