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チャプター 42

アローラの視点

雨がしとしとと降り続いている。新しい寝室から屋根付きのバルコニーへと続く両開きのドアは開け放たれている。私はドアフレームに寄りかかり、雨が降るのを眺めている。私の部屋からは、その向こうに柳の木がある鯉の池が見下ろせた。柳もそうだが、この池は中庭でも特にお気に入りの場所の一つだった。風が霧と花の香りを運んでくる中、私は物思いに沈んでいた。眠れるように頭を整理しようとしていたのだ。部屋の暗闇の中、日暮れと共に髪に現れた星々がきらめいていた。王冠は見えなかったが、そこにあることはわかっていた。

もう午後十時ごろだったが、すぐに眠れそうにはなかった。色々なことが起こりすぎていた。夕...