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第145章

アローラの視点

夢だった……そうに違いない……。でも、それはそれは素晴らしい夢で……いつか私の現実になってほしいと、今ではそう願う夢だった。

夢の舞台は、ハートソング邸の私たちのスイートルームの居間だった。

暖炉には火が灯され、明るくパチパチと音を立てて燃えていた。マントルピースからは松と柊のガーランドが小さな弧を描いて垂れ下がり、そこには大きくて柔らかそうなクリスマスストッキングもいくつか吊るされていた。マントルピースにはクリスマスキャンドルが並び、火が灯されていて、シナモンとリンゴの香りが漂ってきていた。

見上げると、部屋全体の天井近くにも松と柊のガーランドが飾られ、そこかし...