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第十一章

アローラの視点(続き)

私は唇を噛みしめ、変身した。こんな些細なことで、父との戦いを楽しむのを邪魔されたくはなかった。父の〈スパイト〉を心待ちにしていたのだ。父はスプライトのように背が高くハンサムで、肩幅も広く力強かった。私はそんな父にそっくりで、黒い髪に紫色の瞳をしていたが、ただ父には星々もルナ・レガリアもなかった。

周囲の群衆は驚愕に息をのみ、中には恐怖に顔を引きつらせる者もいた。

「ああ、女神様……」と、四番目のアナウンサー、唯一の女性が恐怖に染まった声で素早く言った。

「一体誰が……」と、二番目のアナウンサー。信じられないといった口調だった。

「ああ、アルファ様……」と、三番目のア...