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第109章

ダミアン視点 続き

拳や足がぶつかり合うたびに、パキッという音と共に魔力が霧散した。二人が戦い始めて一時間近くが経ち、俺たちの周りのスタジアムは他の観客で埋め尽くされていた。ハーツソング氏族が全員集まったかのようで、「アルファ、アルファ、アルファ」という声援がはっきりと聞こえてくることから、彼らは誰が戦っているのか知っているようだった。

先ほど、氏族の狼たちが何人か、アローラの兄たちのベンチ前の通路にやって来て、父に話しかけた。「パック・アルファ、失礼を承知でお伺いしますが、戦っておられる方々とこちらにおられる方々について教えていただけないでしょうか?」

アルファは笑った。「興味があ...